GISセミナー

昨日は、京都大学から講師を招いてのGISセミナー。

自治GIS業界!?では、第一人者である同じ職場のMさん。
Mさんが、京都大学から2人をタダで引っ張ってきた。流石である。

■災害発生後のGISを利用した被災者台帳の構築
−2007年新潟中越沖地 柏崎市における現場活動を通して−
京都大学 防災研究所 巨大災害研究センター 研究員 吉富 ポール 氏

■2007年新潟県中越沖地震発生後の新潟県災害対策本部における空間情報を利用した状況認識の統一
■平常時からのGISを基盤とした自治体業務の効率化−京都府宇治市の取り組み−
京都大学 生存基盤科学研究ユニット 助教 浦川 豪 氏

災害現場での実体験に基づくお話。非常に興味深く聞けた。
残念ながら、浦川氏の話は、仕事で中座してしまい半分以上聞けなかった。

ポール氏のお話で面白かったことのメモ。

通常、システム内で複数のデータ系列を結合しようとした場合には、データマッチングにより結合する。しかし、もともと結合を前提で整備されているデータではないため、正確なマッチングは難しく、望みどおりのアウトプットを得ることが出来ない。
そのためには、膨大なデータ再整備の手間がかかる。
そこで、GIS(地図情報システム)のトポロジーという考え方を使って、曖昧なままのデータを人間の判断(視覚的感覚)によって最終的にマッチングさせる。
つまり、事前のデータの整備は曖昧なまま放置して、アウトプットのタイミングで、必要とする人間が、必要な精度までマッチング(エラー訂正)してアウトプットを得る。そして、その瞬間に、情報をフィックスする(インプットへ戻す)

ポール氏に聞くと、災害現場という、ある意味極限の状況での発想とのことだった。
通常は、正確なアウトプットのためには、既に正確にデータが整備されていなければならないという思い込みを、一気に打ち砕くもの。

トポロジー」と「GeoWrap」面白い繋がりだ。

その後の懇親会でも、大いに盛り上がった。